残穢を見た。
ホラー映画が好きだ。
しかしグロテスクは苦手だ。
スーーッと、部屋の空気が重く感じるような
しんしんとした恐怖に包まれる
そんなホラー映画が好きだ。
だから私は「残穢」を見た。
注意!以下、ネタバレあり
ゆっくりと、淡々と、主演の竹内結子が
語り始める。聞きやすく、入り込みやすい。
主人公の〝私〟の元に手紙が届く。
ホラー作家をしている〝私〟のもとには
様々な恐怖体験談を綴った手紙が届く、
その内の一通に引っ掛かりを感じると
数年前に送られてきた手紙に別の名前だが
同じ住所のものがあることに気づいたーー。
というはじまりかたで、
要約すると土地に残る〝穢れ〟によるもの
という話になるのだが
この淡々と進んでいくのが本当に怖い。
劇中にとあるセリフが出てくるが、これが
とても印象に残った。
「別々に聞いた別の話のはずなのにどこか
似ている。詳しく調べると繋がっていた、
根を辿ると元は同じ・・・こういうのは
業が深い、って言うんです。
いわゆるヤバい話。」
ふと思い出しゾクッとくるものがある。
書いている今も少しヒヤリとする。
これぞ日本のホラー映画だ。
叫んで逃げたり、痛々しい描写もない。
雪のように静かに降り積もる恐怖だけ。
ひとりでひっそり、見るのがおすすめだ。